ヤンゴン市環状鉄道のグレードアップが遅延しているのは、予算の問題だけでなく、技術、人材の不足もあるだろう。 しかし、環状鉄道がヤンゴン市民から信用、信頼される交通機関になるように、不退転の決意で臨まなければならないと鉄道輸送省大臣が述べた。




エッセイ特集(4)「市民の期待に応えられないヤンゴン市環状鉄道」




第4回目のエッセイは汽車のことを取り上げました。


ある男性はミンガラードン駅のプラットフォームの端に佇んで汽車が来る方向を見つめている。

いつからその場所にいるのかわからないが、彼の顔は何かイライラしているような表情に見える。

その男性は「今日も少し雨が降っているので次に来るべき列車は運休しているのかもしれない。1本運休すると1時間以上待たないといけない。汽車が毎日時間通りに来れば、とても便利だ。バスに乗るよりずっと快適だからだ。しかし、今日のように時間通りに汽車が来ないと便利さはバスと変わりない。本当に嫌になってしまう」と話す。

一部の乗客はヤンゴン市内の交通渋滞を避けるため、交通手段を汽車に変更している。

ヤンゴン市環状鉄道は1958年に完成したため、今年開業57年目になる。機関車が耐用年数を超えて使用され老朽化していること、線路に安全性がないこと、信号システムが老朽化し技術が遅れていること、などで定時運行することが困難な状況にある。

現在、ヤンゴン市環状鉄道や近郊線では、25編成の列車で運行し、1日に200本の列車が運行されている。

1日の利用乗客数は8万人。この数字は旧軍事政権時代2010年以前より数千人増えただけだ。
市民の交通機関の利用率は鉄道:5%、バス:70%であることが2014年の調査でわかった。

都市開発の専門家チョーラッさんは「鉄道利用者は80%くらいあるべきだ。鉄道のレベルアップを行うことにより利用者は増えるだろう。そうするとヤンゴン市内の交通渋滞はかなり減るだろう」と語った。

鉄道のレベルアップを行うため、政府は2011年にヤンゴン市環状鉄道を民営化するプロジェクトを発表し、投資家に投資を呼びかけた。しかし、投資金額が莫大で、利益から投資資金を回収できるか不透明なため民間企業に対する委託は行われず、この計画は中止となった。

ヤンゴン市環状鉄道の運賃は50チャット~300チャットと列車の種類や距離に応じて様々で、一人あたり平均200チャットとして計算すると、1日に1,600万チャットの売り上げしかない。しかし、経費はこの売り上げ金よりずっと多く、1日に300万チャットの赤字を計上している。

そのため、ヤンゴン市環状鉄道の利用者を増やすために国(ミャンマー国鉄)が引き続き、鉄道事業を担当することになった。

2012年から、南京虫に噛まれることで有名な客車の座席を強化プラスチックの座席に交換したり、外国(日本)から輸入されたエアコン付のディーゼルカーを環状鉄道に投入したり、旧式の客車に扇風機を取り付けグレードアップを試みたり、様々な取り組みが行われた。

このような変化に対して、最初は利用者から評価する声が相次いだが、今はまた評判がまた落ちていることがわかった。

毎日環状鉄道を利用しているニーニーさん(男)は「最初は本当に良かった。エアコン付のディーゼルカーは本当にエアコンが効いていた。扇風機の客車も悪くなかった。しかし、今はエアコンが効かないので、窓を開けている。扇風機も壊れてしまった。300チャットの大金を払っても快適さがなくなった。これでは以前の客車と同じだ。乗客はがっかりしている」と語った。

元鉄道エンジニアの一人は「このような問題が起きるのは資金不足が原因だ。資金が十分にあれば、他に様々な成果が出るのに」とコメントした。

ミャンマー国鉄は国家から割り当てられる予算と日本からの経済援助(円借款)で、環状鉄道のグレードアップ事業を行っており、鉄道輸送省には今年度内で200億チャット(約22億円)を使用する予算が与えられている。

現在、ミャンマー国鉄は線路の安全性と運行の安全性を向上することを優先的に行い、今年末まですべての車両をエアコン付のディーゼルカーに代替する計画を進めている。

また、電車の運行も視野に入れ、ヤンゴン市内ダウンタウンのカンナー通りで電車を運行する計画も立てている。

しかし、ほんの少しの期間運行しただけで扇風機が壊れたり、エアコンが効かなくなったりしているため、このグレードアップ事業も順調に行くのか乗客たちは不安に感じている。

グレードアップが行われているといっても、乗客が期待しているサービスの向上、列車の定時運行の実現はミャンマー国鉄にとって困難な状況だ。

ヤンゴン市環状鉄道のグレードアップが遅延しているのは、予算の問題だけでなく、技術、人材の不足もあるだろう。

しかし、環状鉄道がヤンゴン市民から信用、信頼される交通機関になるように、不退転の決意で臨まなければならないと鉄道輸送省大臣が述べた。

鉄道利用者のモートゥーさんは「あまり(グレードアップされることを)期待していない。定時運行さえしてくれれば、市内の交通渋滞を避ける手段として歓迎する」と語った。

(翻訳終わり)


今年中にヤンゴン市環状鉄道の全車両にエアコン付のディーゼルカーが投入されるそうなので、これを期待したいと思います。


そうすると、あの大量の物資を持ち込んでいる物売り、行商人はどうなるのでしょうか。


行商人専用、物資運搬用の列車も別に運行してほしいと思います。


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Posted by hnm on 金曜日, 6月 26, 2015. Filed under , , , , . You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0

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