ミャンマーへの日本企業の進出 民主化後の4年で5倍に拡大





面積は日本の約1.8倍で、人口が約5,000万人の国「ミャンマー」に世界の注目が集まっている。

 帝国データバンクは11月27日、ミャンマー進出企業の実態調査結果を発表した。発表によると、ミャンマー進出が判明した日本企業は2014年10月末時点で280社となり、2010年の52社から大幅に増加した。

 進出企業を業種別に見ると、「サービス業」が69社(構成比24.6%)で最も多く、ソフト開発や土木建築サービス、経営コンサルタントなどを中心に、各種サービス業者の進出が目立った。以下は「卸売業」の68社(構成比24.3%)、「製造業」の43社(同15.4%)、「運輸・通信業」の33社(同11.8%)など。幅広い業種の企業がミャンマーに進出しているようだ。

 進出企業を年売上高別に見ると、「1000億円以上」が65社(構成比25.1%)で最も多かった。以下、「1億円以上10億円未満」の64社(同24.7%)、「100億円以上1000億円未満」の57社(同22.0%)、「10億円以上100億円未満」の56社(同21.6%)と続いた。規模の大きい企業にとどまらず、中小・中堅企業の進出も目立っているのがわかる。

 このように多くの企業がミャンマーへ進出するのは、2010年に軍事政権が終わり、民主化に進み始めたことが大きく影響している。また、日本政府も2012年の議会補欠選挙で、アウン・サン・スー・チー氏を含む幅広い関係者の政治参加が実現したことから経済協力方針を変更。ミャンマーの民主化や持続的発展に向け、インフラ整備や人材育成の支援に乗り出しており、今後の経済成長に大きな期待が集まっている。

 11月17日には三菱商事と日本航空が出資する商社のJALUXが、ミャンマー航空局との間でマンダレー国際空港の30年間の事業権譲渡契約を締結したと発表。2015年3月からの運営開始を目指している。また、11月14日には中部電力と日本工営が共同で、「ミャンマー国地方主要都市配電網改善事業準備調査」を独立行政法人国際協力機構(JICA)から受託したと発表しており、官民を挙げてミャンマーへの進出が加速している。

 ミャンマーには豊富な労働力があるうえ賃金も安い。アジア最後のフロンティアとも呼ばれるミャンマーは、主要先進国から大きな期待が集まっており、日本企業の進出は、今後もさらに加速していきそうだ。



(サイトウ イサム 、 加藤 秀行)
MONEYzine

Posted by hnm on 月曜日, 12月 15, 2014. Filed under , , , . You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0

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