高速道路を自分の感覚だけで運転するのは非常に危険で、スピードメーターで常に速度を確認する必要があります。




高速道路で事故が多発する原因


先週、仕事中にYou Tubeで日本の高速貨物列車が通過する動画を見ていたときのことです。

(ブログ管理人は大の鉄道ファンだったので、ときどきこのような動画を見ます)



これを隣で見ていた女子アシスタントの一人が、

「センセー、どうして早送りで見ているのですか?」

と質問してきたのです。


「いえいえ、これは早送りなどではなく、通常モードですよ。 日本の貨物列車は速いでしょ?」

(通過にかかる秒数と列車の長さから計算すると最高時速97キロで走行していることがわかります)



するとアシスタント嬢、

「ミャンマーで貨物列車がこんなスピードで走ったら、毎日100人は死んでしまいますよ」


ミャンマーの貨物列車は走行スピードが極端に遅く、だいたい時速20キロから30キロで運転するので、線路周辺に住んでいる住民などは列車を怖いものと思っておらず、露天商などはレールの上に座って商売している有様です。


線路は住民たちにとって絶好の通勤路、通学路で、「列車が来たらよけます。列車が近づいても逃げる時間は十分あるので大丈夫」という声が日刊紙に出ていました。


日本政府がヤンゴン~マンダレー区間(だいたい600キロ)を修復、グレードアップし、時速100キロにスピードアップする予定ですが、これははっきり言ってミャンマーでは非常に危険でしょう。


もし、時速100キロのスピード化を行うのであれば、全線高架方式にして住民が絶対に線路内に入らないようにしなければ、アシスタントが言っているように「毎日100人は死亡する」が本当のことになりそうです。


私たち日本人は、線路内は危険、列車は高速で通過するもの、という常識がありますが、当地の人にはそれがありません。


ですから、日本政府が今やろうとしている在来線のスピード化はミャンマーの実情に合わないと思うのです。


。。。。。。。。。。。。。。。


話は変わって、今日のセブンデー日刊紙に出ていた記事です。


カレン州で完成したばかりのアジアハイウエー(ミャワディ~コーカレイ区間、約50キロ)で交通事故が相次いでいるという記事です。


その記事によると、この10日間で5件の重大交通事故が起き、2人が死亡、5人が重傷を負ったということです。


上の2番目の写真を見ればわかるように、この区間の道路はアセアン基準に合致した、きれいなアスファルト道路です。


それなのになぜ交通事故が頻繁に起きるのか。。。。。。


ブログ管理人が推測するに、道路が良すぎるために運転手にスピード感覚がなくなり、ついスピードを出し過ぎて事故を起こしているのだと思います。


これは、ヤンゴン~ネピドー~マンダレー高速道路にも当てはまります。


この道路はコンクリート道路ですが、周りの景色が非常に単調なため、スピードを出しても全然スピード感がありません。


やっと、スピード感が出てくるのは時速140キロに達したときです。


時速140キロというのは大変危険なスピードで、この状態でタイヤがパンクしたり、何かの障害物に当たってハンドルを取られたり、牛や豚が横断したりして避けようとすると、大事故につながります。


ブログ管理人が想像するには、大事故を起こした運転手は危険なスピードで運転しているという自覚がないのだと思います。


なぜなら、ミャンマー人にはスピードメーターを見て速度を確認するという習慣がありません。


というか、速度という概念がわかっていないと思われます。


日本では小学校で速度、距離、時間の関係を習いますが、ミャンマーではそれが完全に抜けています。


そのため、私が「日本の貨物列車は時速97キロで走行しているんだよ」とアシスタントに説明しても、それが何を意味しているのか理解できません。


この子は大学卒業の学歴ですが、時速97キロというのがどれくらい速いのかわかりません。


ミャンマー全国で大学卒業以上の学歴があるのは人口の6%くらいだと言われています。


ましてや、最終学歴が小学校、中学校という人はザラですから、今さら速度の観念を教えようがありません。


ミャンマーで交通事故を減らすには、時間をかけてまず小学校で速度、距離、時間の関係をきちんと教えることが先でしょう。


そして、いろいろな場面を想定して、この場合なら時速何キロなら安全で、何キロだったら危険なのかを数値で教えることが重要だと思います。



また、マイルとキロが混在して使用されているため、これを統一することも必要だと考えます。



高速道路を自分の感覚だけで運転するのは非常に危険で、スピードメーターで常に速度を確認する必要があります。


ヤンゴン~マンダレー区間の在来線鉄道のスピード化もこの教育が終わってから開始するべきで、今行うと非常にまずい気がします。


追記)

カレン州政府は、交通事故が多いのはトラックの過積載が原因だとしていますが、これは多分的外れでしょう。
過積載のトラックに対する取締りを強化すると言っていますが、これだけで交通事故は減るどころか、これからさらに増えるでしょう。


追記2)
ヤンゴン~ネピドー~マンダレー高速道路で交通事故が多発している原因はコンクリート道路だから、とか道路自体が基準に合っていないから、とかいろいろ言われていましたが、アジアハイウエーでも事故が多発していることから、ブログ管理人の以前からの見解が当たっていることが証明できそうです。



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Posted by hnm on 金曜日, 12月 04, 2015. Filed under , , . You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0

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