ローカル業者の担当いわく、 「GPSで測った。」と言っているのに、 理論上の数値通りに、 なってたためしがない。。



スッキリしなかった疑問がついに解決。


先日から、ずっと気になっていた、
疑問が無事に解決しました。

(先日のくだりはこちら。)

何について悩んでいたのか?
ですが、

大まかに言いますと、

測量に必要な座標値を計算する場合、
地球を楕円状の球体(1周=360°)を、
6°刻みで区切ると仮定して、

区切られた四角形の領域を、
ほぼ平らな面と仮定して、
一般的な地図がくつられています。

そこで、当然ながら、
球面の一部を無理やり区切って、
平らであるかのように仮定してるため、
ひずみが発生します。

そして、そのひずみは、
ミャンマーで採用されている方法だと、
100m辺り ±4cmほどになるため、

ある程度の規模の開発の場合、
どのように対処するべきか、
正しく判断する必要がありました。

そんな経緯で必要にかられて、
考えていたのですが、

私が気がつかなかったのが、

6度刻みのエリアの中心を基点として、
各グリッドのひずみを計算するため、
実際には、±3度のエリアと考えます。

その際、
日本のように、緯度が35度の場合、
経度が3度違う2地点の距離は、約273.5km

しかし、
ミャンマーでは、緯度が20度前後のため、
緯度が3度違う2地点の距離は、約313.8km

と言う感じで、

地球(楕円状の球体)を角度で区切って、
平面にして考えている都合上、




緯度が高い(赤道から遠い)ほど、
同じ3度でも距離が短く、

緯度が低い(赤道に近い)ほど、
同じ3度でも距離が長くなる。

この気づいてみれば簡単な、
ここに気づかず悩んでいました。。

加えて、

世界の陸地の大半は北半球にあり、
かつ、北半球の大都市の多くが、
緯度30度から50度くらいにあって、
日本も緯度35度近辺にあるので、

結果、
日本国内の論文を見ても、
ミャンマー辺りは、ズバリこうだ!
と考えられるような、
バッチリ当てはまる資料が見当たらず。

実は、前から計算は合ってたのに、
なんか違う気がする。。と思い込んで、
一人でハマっていただけだった。。

と言う話でした。

・・・・

いつもそうですが、
集中しているつもりが、

時折、気付けば簡単なことなのに、
なかなか抜けられない螺旋にはまる。

これが少なくなれば、
もっとスムーズにことが進むのに、
やっぱりなかなか無くなりません。。


知るほどに分からなくなるミャンマーの常識。。


意外なアクセス数を記録した、
昨日のマジメな内容。。

過去に、
イヌブログになってた頃には、
アクセス数が下がるという意味で、
その時も驚きましたが、

まさかの本当に困ってた、
伝わりづらい内容を書いて、
アクセス数が上がるとは、、

・・・・


なので、

もしかしたら、

仕事がら気になる方が
いらっしゃるのかもしれないので、

もう少し、
続きを書かせていただきます。


まず、

ミャンマーで一般に使われている、
地図が描かれる時の考え方。

※ 日本で一般的なものとは異なります。

図で表すと、





だいたい、
こんなイメージです。

この、平面に表現するために
球面から補正する必要があり、

場所によっては、

100mあたり最大4cm程度、
実物と違う距離で描く場合がある。

という話なんですが、

実はこれは、日本などの、
緯度が30度以上の地域の話で、

緯度が20度ほどの、
ミャンマーあたりは、




本当はこんな感じです。

加えて、ヤンゴンは、

この6度の領域の端の方なので、
1.0007倍前後になり、

100mあたり7cm程度、
実物と地図上の距離がズレる。

と言う話になります。


この数値、実際に、

大きな構造物を作る場合、
気になる誤差になってきます。


しかし、

そのこと自体は、

測量屋さんにとっては、
普通の話で問題ではありません。

(分かっているなら計算すれば良いだけの話。)


ところが、

問題なのは、、

この3年、
ミャンマーで測量していて、

ローカル測量会社のデータを元に、
ウチで別の作業をする場面になって、

ローカル業者の担当いわく、

「GPSで測った。」


(地図上に投影された状態の数値で、
 データが作られている。と、普通は考えられる。)

と言っているのに、

理論上の数値通りに、
なってたためしがない。。


※ 日本なら他業者のデータを引き継いだとしても、
  まず間違いなく理論上の数値とおりになってる。


・・・・

はい。

今回、

この比率をすぐ計算できるように、
エクセルのファイルを作った時から、
一番気になってたことです。


通常、GPSの測量機は、
使う時に設定さえ合っていれば、

あんまり何も考えなくても、
理論上の正しい数値が測れます。

旧来の測量技術に比べると、
非常によくできたシステムです。

なのに、

こちらの業者のデータを引き継いでも、
その数値とおりになってたことがない。


※ 弊社の経験の範囲の話で、
  すべてではないと思います。

・・・・

日本には測量法という法律もあり、国家資格として資格が定められていて、業者登録にも実務にも資格がいる。
それが常識ですが、
ミャンマーには測量法はない。なので、資格制度も存在しない。よって当然、業者登録制度もない。

・・・・

極端な話、
道端の屋台と同じ勢いで、

機材さえあれば、
明日から測量屋さんだ。
と言えてしまう。


結局はそれが、
根本的な原因なのでしょうか。。



何気に、

ミャンマーの多くの業種で、
まったく同じことが言える気がします。


知れば知るほど、
新たな課題に直面する、


その辺りが、
苦労でもあり面白さでもある、
ホントに不思議な国です。



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Posted by hnm on 月曜日, 7月 20, 2015. Filed under , , , . You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0

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