このような無許可の証券会社はヤンゴン市内に10社以上あると言われている。





今回のエッセイは最近あったある外国人による巨額詐欺事件を取り上げました。


エッセイ特集(5)「詐欺の教訓」


信頼できる職場の同僚から誘いを受けて、ミャジンさん(女性、仮名)はヤンゴン市内サクラタワーに豪華なオフィスを構えているグローバル・グループ証券会社に対して1千万チャット(約110万円)を出資した。

その証券会社の規則では最低投資額は500万チャットと定められている。

彼女は、毎月3%から10%の配当を出すという誘い文句に乗せられて出資を決断した。

出資した後、しばらくの間毎月配当が付き、元本の1千万チャットも3ヶ月以内ならいつでも引き出せるという。

この事業の特色として、他に顧客を紹介した場合、配当率がさらに高くなるため、友人3人に対して一人あたり500万チャットを出資するように勧誘した。

さらに、彼女は両親に対しても出資するように説得した。

しばらくは配当を受け取ることができたため、元の1千万チャットを引き出さず、証券会社に長期にわたり資金をプールすることにした。

しかし、現在、証券会社の経営者である台湾人2人が外国へ逃亡し、自分が出資した1千万チャットが返金される保証がなくなり、両親や友人に対しても顔をつぶしてしまった。

ミャジンさんは「私が出資した資金はもう戻って来ないのだろうか。誰が責任を取って返金してくれるのかわからない。誰に頼っていいのかわからない」と話す。

この証券会社に資金を詐取された被害者はミャジンさん一人ではなく、ヤンゴン、マンダレーの二大都市に被害者が300人に上っている。


グローバル・グループ証券会社はヤンゴン市内の中心部サクラタワーにおいて事務所を開設し、世界的な証券会社Standard Bullion(スタンダード・ビリオン)の支部と称し出資者を信用させる様々な書類を用意して騙したのだ。

マンダレー市内でも中心部にあるダイヤモンド・プラザで事務所を開設し、2年間事業を行った。

台湾人2人はミャンマー国内で2013年に会社登録し、中央銀行から両替商のライセンスを取得した。

しかし、実際に行っている業務は両替ではなく、正式に許可されていない証券の売買を業務としていた。

出資金は最低1口500万チャットで、配当は3%から10%まで毎月受け取ることができると出資者を勧誘した。

3ヶ月以内であれば、元本と配当をすべて引き出すことができる権利も与えている。このため、出資者は300人以上に上った。

500万チャットを出資して1週間しか経っていない女性は「短期間で配当が付き、元本も返金してくれると言うので信用してしまった」と話す。

出資者は、出資金が多ければ多いほど配当が増えるという誘い文句に乗り、彼女は自分の家族に対して勧誘し、資金を無理やり出させた。

1千万チャット騙された男性は「この件のことを両親にまだ話していない。自分は両親に無理やり出資させたのだから」と話す。

この会社のやり方は「マルチ商法」に酷似しており、出資者をたくさん紹介すればするほど配当が多くなる仕組み。

そのため、出資したほとんどの人が身近にいる両親、親戚、兄弟、友人に対して出資するように勧誘活動を行ったが、詐欺に遭ったことがわかると家族問題に発展している。

台湾人2人(ミスターアン、ミスタージェイン)は出資金のうち、148万ドル(1億7,760万円)を持ち出し、ミャンマーから出国した。被害総額は300万ドル(3億6千万円)に達すると見られている。

会社には一部のミャンマー人社員が残されているが、彼ら自身も出資しており、被害にあっているという。

彼らは出資者から問題の解決を迫られており、今はミャンマー人同士の問題に発展している。

同社に騙された被害者は、一人あたり最低500万チャットから最大6億チャットの被害に遭っている。

会社のマネージャーの一人、ミスター・スチーブは「6月第2週目に詐欺事件が発覚したが、会社を閉鎖することはなく、事業を継続する」と被害者に対して説明している。

同社の元スタッフで家族全体で6千万チャットの被害に遭った男性は「家族は私に対して怒りを露にしている。私が家族に対して出資するように勧誘したのだから。現在、会社の責任者がどこにいるのかわからない。私は今、仕事がない。被害者たちは私にお金を返すように要求しているが、私が返金できるのなら返金している。しかし、私が騙したのではないのだから返金のしようがない」と話す。

同社にはスタッフが60人勤務していた。その多くが自分で出資金を出しており、その一部は詐欺が起きる前にお金を引き出しているという。

正式に許可されていない事業を二大都市の最も立派なビルで事業を行っているのに、関係当局がこの事業のことを誰も知らず、調査することもなかったと同社の元スタッフが証言する。

同社から勧誘を受けた経済事業家の一人は「ちょうど1ヶ月前にその会社が私のところに来て、ゴールドの取引をオンラインでできると持ちかけてきた。しょっちゅう勧誘にやって来るため、私からその事務所に出向いて見た。しかし、出資するのはやめた。問題が起きると直感したからだ。外国人がこの事業を監督し、契約書にサインして外国人が保証するという点がミャンマーの法律に合致しておらず、3%から10%の配当を出すというのも多すぎるため、あり得ないと思い出資を断念した」とコメント。

チャウダダー郡区の警察署長は「逃亡した台湾人は人を騙して逃亡している。しかしこの事件はお金の流れが非常に複雑なため、どの罪状をつければ良いのかわからない。上には報告している」と話す。

財務省副大臣のマウンマウンテイン副大臣は「ミャンマーには無許可で営業している証券会社を取り締まる法律が存在していないため、国民はまだ証券取引をしないように注意を呼びかけている」と話した。

このような無許可の証券会社はヤンゴン市内に10社以上あると言われている。

5年前、同じような詐欺に遭ったマウンマウンルインさんは「法律違反の事業として逮捕できないものか。現在、ヤンゴン市内で無許可の営業を行っている証券会社のリストを公表することができる」と話す。

詐欺事件の首謀者ミスターアンは、国際刑事機構(インターポル)が国際手配しているNg Kwok Faiと同一人物ではないかと指摘されている。

このような犯罪者がミャンマー国内に入国して堂々と事業を行っていたことは笑い話になると、被害者の一人が述べた。

(翻訳終わり)



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Posted by hnm on 月曜日, 7月 06, 2015. Filed under , , , , . You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0

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