ミャンマー 14年の外国人旅行者、75%増 制裁緩和で市場急成長
bcjpnog, bcjpnoo, Htun Naing Myint 月曜日, 2月 02, 2015
ミャンマーを訪れる外国人旅行者が急増している。同国ホテル・観光省によると、2014年の外国人旅行者数は350万人、観光収入は11億4000万ドル(約1340億円)。旅行者数は前年の200万人から75%増、収入は9億2600万ドルから23%増となった。経済制裁緩和などが要因だ。現地週刊紙ミャンマー・タイムズなどが報じた。
同国は軍政期に諸外国による経済制裁などが原因で長年にわたり観光が低迷していたが、10年の民政移管でテイン・セイン政権が誕生して以降は制裁緩和で旅行者が増加に転じた。
これを受けて政府も外貨獲得や雇用促進を目的に観光振興を図る方針を立て、12年には13~20年の長期計画「観光マスタープラン」を策定。本格的に観光市場育成に取り組み始めた。
同計画では、外国人旅行者数の目標を15年が309万人、20年が748万人と設定していたが、14年に1年前倒しでの300万人突破となった。なお、この計画では観光収入を12年の5億3400万ドルから20年までに101億8000万ドルに増やすとしており、同年までに観光業従事者を149万人にするなどの目標も掲げている。
昨年の急増を受け、ホテル・観光省は15年の目標を450万~500万人に上方修正した。政府は観光関連のインフラ整備などを急ぐとしており、同計画に盛り込んだ38件、総額4億8660万ドルの観光事業を推進している。昨年はヤンゴン国際空港にオンラインで観光ビザ(査証)を申請・取得できるシステムを導入した。
一方で観光市場の急成長に懐疑的な見方もある。業界団体ミャンマー観光連盟(MTF)の幹部は、懸念材料として今年11月に実施予定の総選挙を挙げ「観光は政治状況に大きく左右される分野だ。政治が不安定化すればたちどころに打撃を受ける」と述べた。
さらに同幹部は、需要急増にともなって旅行費用が上昇しているとしたうえで、ホテルなど宿泊施設の設備・サービスの質が料金に追いついていないとし、旅行者の満足する環境づくりを課題に挙げた。MTFは今年の旅行者数を政府目標よりも少ない350万~400万人と予想している。
また、同国は旅行者の定義が曖昧で実際は300万人に届かないとする見解もある。非営利団体の太平洋アジア観光協会(PATA)は、政府発表の外国人旅行者数のうち3分の2はタイや中国などから国境を越えて入国した日帰りの来訪者だと指摘。滞在時間24時間以上とした世界観光機関(WTO)や、PATAが1泊以上と定義付けた旅行者には該当しないとしている。
しかし、ミャンマーは空港の利用者数が12年の59万人から、昨年は108万人となるなど旅行者が急増しているのは事実とみられる。関連インフラを充実させて継続的な成長を実現できるか、ミャンマーの観光振興はこれからが本番といえそうだ。(シンガポール支局)
Posted by hnm
on 月曜日, 2月 02, 2015.
Filed under
bcjpnog,
bcjpnoo,
Htun Naing Myint
.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0