ミャンマー消費財、外資が開拓 ネスレ工場建設、6年で投資5000万ドル



ミャンマーの食品や飲料など消費財市場への外資進出が活発化している。現地週刊紙ミャンマー・タイムズによると、スイスの世界食品最大手ネスレはミャンマーに新工場を建設する。今後6年間のミャンマーへの投資総額は5000万ドル(約54億8300万円)となる見通しだ。
 ネスレは2013年9月、ミャンマー国内に子会社を設立。同国投資委員会(MIC)と本格進出に向けた協議を重ねてきた。ミャンマーの首相府筋によると、ネスレはコーヒー、牛乳・乳製品、飲料水、清涼飲料の分野での投資が認められる方向で、現在はMICの最終的な承認を待っている状態だという。
 ネスレは地場物流会社ミャンマー・ディストリビューション・グループ(MDG)と提携し、中部にあるダゴン・セイカン工業団地に総額2500万ドルで製造工場を建設する。当初の製造はコーヒー関連製品のみだが、将来的にはアイスクリームやチョコレートなどを含む幅広い飲料・食品製造も視野に入れているという。
 新工場は2カ月以内に着工する見通しで、着工から1年半後の完成を目指す。同社の現地法人幹部は、原料は現地調達を中心にしたいとする一方、「現状では国内で調達できる原料は限られている」と述べ、当面は国外からの輸入原料に頼ることになるとの見解を示した。
 「アジア最後のフロンティア」とも呼ばれるミャンマーは、人口5200万の大市場ということもあり、ここ数年、消費財分野で世界大手の進出が相次ぐ。昨年は5月に英蘭ユニリーバ、6月に米コカ・コーラが新工場を稼働させた。この両社だけでも、今後10年のミャンマーへの投資額は10億ドルに達するとされている。
 なかでも今後、熾烈(しれつ)な競争が予想されるのは飲料分野だ。今年3月にはコカ・コーラのライバル、米ペプシコが、韓国企業と提携して炭酸飲料関連の新工場を建設した。
 ビールでもカールスバーグ、ハイネケンの蘭2社が年内に工場を稼働させるとしているほか、2社がMICに投資計画を申請中だという。
 日本からもアサヒグループホールディングスやキリンホールディングス、サッポロホールディングスが現地企業と提携して清涼飲料の製造・販売などに乗り出している。
 民政移管から3年が経過したミャンマーでは、政府が今後も経済成長の加速を目指して外資の呼び込みに注力する方針を維持するとみられている。各分野の競争もますます激しさを増していきそうだ。

(シンガポール支局)
SankeiBiz

Posted by hnm on 火曜日, 10月 07, 2014. Filed under , , . You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0

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