NHK、ミャンマーで「ドラマ外交」 現地民放と連携



ミャンマーの地上波民放で放送されているNHK大河ドラマ「篤姫」(NHK提供)(写真:産経新聞)

NHKが、民主化の進むミャンマーで大河ドラマや連続テレビ小説の放送を通じた“ドラマ外交”を強化している。12月には現地の民放と組み、旧首都ヤンゴンでNHKや日本文化を紹介する大規模イベントを初めて開催。韓国政府の強力な公的支援を受けた「韓流ドラマ」がアジアでシェアを広げるなか、NHKは各国の現地局と連携を深めることで日本ドラマの浸透につなげる狙いだ。

 ◆充実「韓流」に対抗

 ミャンマーでは長年、メディアに対する検閲体制が敷かれていた。しかし、現政権下で民主化が進み、近年は民間テレビや出版社が相次いで発足している。新興の地上波民放「MNTV(ミャンマー・ナショナル・テレビ)」は3月、NHKドラマの放送枠を新設。大河「篤姫」や朝ドラ「カーネーション」を連日、夜の現地ニュース後に放送している。NHKが番組を無償提供。放映諸経費をまかなうための日系企業を中心としたスポンサーの獲得も順調だ。

 ミャンマーでも安価で、アジアで需要が高い数十話単位のラインアップが充実している韓国ドラマが広がりつつあるが、NHK関連事業局の山本浩副部長は「メディア産業の急成長を受け、ミャンマーで映像コンテンツの需要は拡大している。他国よりも割って入る余地がある」と、対抗する構えを見せる。

 ◆汗かき関係深める

 NHKはMNTVと共同で、現地の人気アナウンサーを起用して大河ドラマのPR番組や日本のファッション紹介番組を制作。12月6、7日にヤンゴンで開くイベントも両局などの共催で、ミャンマーの人気アイドルも出演する。山本副部長は「ただ番組を放送するだけでは不十分。勢いのある地元局と一緒に汗をかき、関係を深めることが、NHKを理解してもらうことにもつながる」と語る。

 朝ドラ「あまちゃん」を既に放送しているインドネシアでは、インターネットの交流サービス「フェイスブック」上にある同国語のドラマ応援サイトで2万件以上の「いいね!」を獲得した。現地の人気ブロガーをPRに活用し、交流サービスでの「口コミ」を広げるなどNHKは浸透に向けた新たな試みも模索している。NHK関連事業局の須田俊明専任部長は「今後、他国で番組展開を進めるうえで、ミャンマーでの大規模な取り組みを一つの成功モデルにしたい」と意気込んでいる。

 (三品貴志)
産経新聞


Posted by hnm on 月曜日, 10月 13, 2014. Filed under , , . You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0

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