複数車の所有で課税強化も:渋滞解消へ施策相次ぐ



ミャンマー最大の都市ヤンゴンで、悪化の一途をたどる交通渋滞の解消に向けた施策が相次いで講じられている。交通量の多い交差点に高架橋が建設され、日本の支援で信号機が増設されたのに続き、同国政府は複数の車を所有する世帯への課税を強化するという新たな方策を打ち出した。頻発する渋滞は経済活動を阻害しているとの見方も出ており、抜本的な改善策が必要となっている。
 同国では自動車の登録台数が増加し続けている。統計局によると、民政移管を果たした2011年3月には乗用車、トラック、バスを合わせて35万台足らずだった車の登録台数が14年8月には63万台と、2倍近くに拡大した。
 総登録台数の7~8割を占めるといわれるヤンゴンでは、単純計算ではあるが、街を走る車が30万台弱から50万台超に増えた。道路をはじめとする交通インフラの整備も進みつつはあるものの、20万台の増加分を吸収することはできず、渋滞は悪化するばかりだ。
 商業省は先ごろ、ヤンゴンで慢性化する渋滞が海外からの投資を阻害する要因になるとし、早急な対策が不可欠との見解を示した。輸送に時間がかかるようになり、製造業やサービス業がコスト増を招くと分析、海外からの投資に影響すると危機感を募らせる。
 政府やヤンゴン市は渋滞解消に向けた取り組みを活発化させている。市は、路上駐車をなくそうと駐車場の新増設に躍起だ。昨年12月には、国際協力機構(JICA)の支援で市内10カ所に信号機が設置された。幹線道路など60カ所に自動交通管理システムを配備しようという動きもある。
 高架橋の整備も急速に進む。中心部に近く渋滞の激しいシュエゴンダインやレーダンなど4カ所の交差点に設置された。15年度には、さらに3カ所増える見通しだ。さまざまな方策が矢継ぎ早に繰り出されている。しかし、渋滞が抜本的に解消されるには至っていないのが実情だ。
 現地紙のミャンマー・ビジネス・トゥデーが20日付で伝えたところでは、政府は新たに、2台以上の車を保有する世帯への課税を強化するという案を編み出したようだ。ただ、具体的なスケジュールや課税内容など詳細は明らかになっていない。効果を生む施策になるのかどうかは未知数だ。
 ヤンゴン在住のある日本人駐在員は「政府や市が渋滞の解消に向けて必死になっていることは理解しているが、渋滞は悪化の度合いを増している」としながらも、「課税を強化するという策も、大きな効果を生まないのではないか」と語った。

NNA

Posted by hnm on 月曜日, 1月 26, 2015. Filed under , , , . You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0

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