労働集約型産業の進出に期待:バゴー管区ニャン・ウィン知事





日産自動車の進出や新空港建設の入札で脚光を浴びているヤンゴン近郊のバゴー管区。ニャン・ウィン知事は21日、バゴー市内でNNAなどとの会見に応じ、「バゴー管区を農業から工業中心の産業構造へと転換したい。雇用創出につながる労働集約型産業の日系企業に進出してほしい」と語った。【遠藤堂太】
 
 バゴー管区の人口は600万人。ミャンマー全土の10分の1だ。同知事によれば7割は農業などに従事しているという。すでに韓国系の職業訓練学校が開設されているが、「マレーシアのタンチョンが出資する日産の工場が稼働すれば、未熟練労働者を優秀な技能工へと訓練してくれるだろう。住民は高収入を得ることが可能になる」との期待を示した。ただ、自動車関連産業誘致の優遇を行う予定は今のところなさそうで、「まずは労働集約型産業に来てほしい」と強調した。管区民の1人当たり年間平均所得は69万チャット(約6万9,000円)。
 最大都市ヤンゴンから第2の都市マンダレー、第3の都市モーラミャインへの分岐点となる交通の要衝にあるバゴー。全国に3カ所あるホンダの二輪販売店も市内に開設されたばかりだ。
 バゴー管区には、日鉄住金物産やナイガイなど日系縫製工場も進出しているものの、外資企業は登録ベースで14社、稼働ベースで7社と多くない。マレーシア、韓国、インド企業も進出しているという。賃金レベルは最大都市ヤンゴンより数%安い程度で縫製業では残業代込みで1カ月100米ドル(約1万円)程度。ただ、労働力は比較的確保しやすいようだ。地方出身者が多いヤンゴン市内の工場労働者に比べると、近隣住民が多いためだ。離職率も低いという。
 投資ライセンスは中央政府の認可が必要となり、同管区だけで手続きを完了することはできない。しかし、「他管区・州でみられる中央・地方政府間の見解が異なるトラブルは発生していない」とウィン知事は自信を示した。また、「ミャンマー全土の課題でもある電力不足(停電)を除けば、進出企業へのサポート体制も万全だ。自らの目で操業環境を確かめてほしい」と語った。
 一方で、韓国企業が8月に受注したハンサワディ新空港の開港時期や同空港を中心とした都市開発、ヤンゴン空港の存廃問題については、「中央政府が主導する案件だ」として、明言を避けた。
 製造業投資を本格的に呼び込むには、外資の有名工業団地運営会社の進出がカギを握るともいえそうだ。しかし、バゴー管区の実務担当者によると、工業団地運営会社の進出打診はまだない、という。
 会見は国際機関・日本アセアンセンターが企画した投資環境視察で行われた。


NNA

Posted by hnm on 水曜日, 10月 23, 2013. Filed under , , , . You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0

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